BLUE BACKS「コーヒーの科学〜『おいしさ』はどこで生まれるのか」旦部幸博

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出来事の記録。

昨日は長い1日だった。朝主人が出勤。また頭痛。フラッシュバックに襲われる。当局による拷問で両耳と鼻を削ぎ落とされた男性の顔が再び現れた。名前は出てこない。'95年。確か4月だった。ソウルで会った作家だった。

窓の外に目をやる。時計を見る。瞬く間に1時間半が経過していた。瞬時に時間を奪い取られるのは良くない兆候だ。部屋で独りでいるのは危険に思えてとりあえず出かけることにした。

なんとなく徳川美術館とか徳川園とかそんなところへ行こうかとバスと電車を乗り継ぎJR大曽根駅へ出た。三女と合流。そもそも家から連れ出してくれたのは彼女であった。もちろんわたしの脳内で起こる恐ろしいフラバのことなどは知らないはずだ。

このブログもそもそもが主治医宛の業務日誌の様なものなので親族も友人も誰も読めない。読まないに越したことはない。ここへ書き込むことでスーパーなぎらはわたしの書き殴るノートの処理に悩むこともない。

駅ビルのパン屋のイートインで徳川美術館も徳川園も休館日だと判った。それならばオープンしたばかりの名古屋駅伊勢丹へ行こうよと市バスに乗り名古屋駅へ。大名古屋ビルヂング。ISETAN HAUSへ着いた。B1のコスメフロアでお試しの口紅やパルファムで小一時間を過ごす。

大名古屋ダイニング、大名古屋ダイニング。三女が連呼する。ダイが多くない?ひつまぶしの行列。ランチ2,000円でも構わない人々を他所にして我々は栄へ移動。中日ビルのワンコイン天丼を食した。50円でお味噌汁を付けたら合わせ味噌だった。八丁味噌だと原価を割るのかもしれないな。

まだまだ1日は続く。わたしは前から行きたかったジュンク堂名古屋栄店へ。旦部幸博のブルーバックスは残り一冊だった。図書館レベルの文庫と新書の在庫。美しい本棚に人影は疎ら。無いな、無いなと呟いていたら背広の紳士に声を掛けられた。

何かお探しのものがお有りでしょうか。背の低いその紳士は板に着いた笑顔と腰の低さがどこか普通では無かった。エイ出版を探してるんです。紳士は黙って頷き我々をとある本棚へと通す。そこは胡散臭い文庫のエリア。ああ有りそうだ。しかし無い。紳士はお待ちくださいと姿を消す。それは猿飛佐助がチャーリーブラウンに扮して居る時に似ていた。彼は曇った表情で瞬時に舞い戻り、こちらの店舗ではスペースの事情でエイ出版は一冊も入庫しておりませんと小声で囁いた。

是が非でも入手してみせる、読みたい本の名前を今すぐ言えと顔力で迫るこのチャーリーブラウンからわたしは後ずさりして逃げた。ママ‥‥、三女が何か言う声が遠のいた。

オアシスでバスを待つ。ステージでは聞いたことの無い名前の韓流ボーイズたちがナゴヤのミナサン、ナゴヤのミナサン、とやって居る。バスが来た。基幹バスを降りて三女の家に到着。もう夕方だ。よしママがパスタ作るよ〜。

前からやってみたかった茹でないパスタをやってみる。1時間加水させた乾麺を炒め煮でほうれん草のオイルパスタにした。婿が帰宅。茹でないって言ってもフライパンで結局は茹でるんでしよ。いや茹でない。乳化と加熱を同時にわっとやるのさ。

ジュンク堂のスーツ姿の佐助はコンシェルジェではないかと婿が言った。なるほどね。主人が到着。お風呂セット持ってる?持ってるよ、わたし今日1日お風呂セットをリュックに入れて移動してたよ。

お風呂セットを持ち歩くのは楽しいことだ。ちょっとした旅行気分を味わえる。もう10時だったがいつものスーパー銭湯へ。すっかり慣れ親しんだ洗い場に見かけない若い女性が居た。そこわたしの洗い場なんですけど、と思ったがまあ譲ることにした。時間に遅れたのはわたしの方だったのだ。

今朝マキネッタを初めてやってみる。昨日婿がエスプレッソ用の珈琲豆をジップロックにくれたのだ。マキネッタは引越して直ぐ婿が何処かで買ってきてくれた。マキネッタ用五徳アダプターがない。網も無い。仕方なくニトスキに乗せた。

旦部幸博の本でパルパーなる道具の挿絵を眺めながら甘いミルクコーヒーを飲んだ。パーチメントが思っていたよりも硬いこと、珈琲は豊富でもミシュレージをやっつける微生物を発生させる水のない土地のこと。沢山読む。

あー、いい本買った〜。