本⑤

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V'sweet night'


本が好きというより特定の好きな場所ばかりを読む。


「もしも神様かご褒美をくれると言ったら僕はふつうの脳みそが欲しいよ。これは夢物語じゃない。叶うと信じてる。自己憐憫や御涙頂戴でもない。


頭のおかしい僕の奇行に幾度も悩まされ君たちはこれまで途方に暮れることが非常に多かったんである。


(中略)僕は諦めてはいない。過ぎたことを悔やんで、たいへん申し訳ない気持ちに長く苛まれることがあったけれど、そうしてネガティブに支配されても、遮二無二これまでの失態による不始末の欠損をちからづくで穴埋めしてやるなんて、そんな幻想はもう抱いてはいないんである。


僕は変われると信じているんである。この脳みそは徐々に良くなるに違いないと信じているんである。


(中略)これから先出会う隣人たちに、沢山質問をしたい気持ちである。分かり合えるかもしれない誰かと、親しくなりたい。これまで自分をモンスターだと、自分で自分を隔離して生きてきた。だけど人間に少しずつ近づいているんじゃないかなと、この頃思はないでもないんである。


これまで自分が自分がと自分のことばかり優先してきたことを悔やんでいる。これからは人の痛みをわかる人になりたいんである。自分を酷い目に合わせた人を内心で座間あ見ろと思わないように気をつけたい。そいつには僕には知り得ない事情があったのかもしれないじゃないか。

神様どうか僕にそんな魅力的な感性を味あわせてください。そんなご褒美をください。」


「ゼンマイ仕掛けの僕の日本カモシカの夢」より(2020、Carolliena)