ランドセル作戦



https://open.spotify.com/track/2S1zVDTIjxu6267HnoOOkz?si=37_Zb6bMR6CpdMjD0RxckQ&utm_source=copy-link
マイケル・ブーブレ
ユーア・ザ・ファースト、ザ・ラスト、マイ・エブリシング





わたしの友人は子ども時代豪雪地帯に住んでいたがわたしは彼女の子ども時代の話が大好きで、「雪かき〇〇ちゃん」などとその思い出話に題を付けている。





豪雪地帯の冬は易しくはない。彼女の母一人子一人のぎりぎりの日々の暮らし。大人になっても小さなカラダ。彼女は笑顔で語るんである。彼女の語りは覚えたてのチェーンステッチのように、危うくたどたどしく。





早朝の彼女の雪かき仕事は、仕事へ行く母親の歩くための通り道を作る。彼女自身もそこをスタスタと歩いて学校へ行く。学校が終わる。また雪が積もっている。家につく。今度は家に入るための雪かきが始まる。朝の雪かき仕事の終わり、朝置いたスコップを彼女は取り上げる。




その日一日が終わり、彼女は疲れていた。ランドセルをよっこらしょと降ろす。よし、やってみよう!彼女はランドセルに跨(またが)った。シュー!ヒャッホー!彼女は雪かきスコップのその場所まで一気に滑り降りることに成功した。





わたしたちはそこでいつも大笑いだ。そうだ生きていこう。力強く。