リタとウイスキー

「リタとウイスキー」は絶版になっていた。ニッカウヰスキーの創始者竹鶴政孝と妻リタのお話だ。なんでも次のNHKの連ドラがこのお話が元になった「マッサン」というドラマなのだそうだ。見たい。見れるかな?連ドラだよね。毎日忘れずに見れるかなあ。録画するか。それも面倒だな。うーん。

竹鶴政孝について書かれた本は数年前に何冊か読んだ。その中に「リタとウイスキー」もあった。きっかけは北海道旅行で小樽の友人を訪ねたとき、余市のウイスキー工場に連れて行ってもらったことだった。もともとウイスキーが好きなことに加えて、この余市のウイスキー工場がとっても素敵なところだったので、私は竹鶴政孝にすっかり夢中になってしまった。

去年友人と2人でニセコに一週間滞在した。素泊まりのホテルだったから、夕ご飯はホテルの部屋で地元のスーパーで買った刺身とか惣菜を食べた。積丹半島の付け根にある岩内漁港から新鮮な魚が入っていた。この旅行では余市へは行かなかった。しかし私は余市へは2回行っている。実は北海道はここら辺から南の道南エリアしかいったことが無いのだが、とにかく好きでたまらない。暇な時は余市や仁木町の町営住宅のサイトを眺めている。いっそのこと引っ越してしまいたいくらいだ。

「リタとウイスキー」をなんとかしてもう一度読めないものか。面白い本だった。読みやすい、興味深い内容だった。とにかく竹鶴政孝という人物のパワーはすごい。最も印象に残っているのは彼とリタの自宅が鎌倉にあった頃、竹鶴政孝が鎌倉から北海道の余市までを、何度も何度も往復したことだ。細かいことはなにも書いてはいない。私は空想した。まず上野まで出る。高崎線で大宮、宇都宮線で北上、仙台、八戸から青森、そこからは青函連絡船だ。函館本線長万部、西回りの山線でようやく余市である。ふー!すごい。竹鶴政孝はこれを何回もやっているのだ。

その年私はどうしても北海道で鉄道に乗りたくなった。いろいろ考えて小樽長万部ルートに乗ってみることにした。あんまり私が楽しそうなので主人が同行することになった。12月を選んだのは北海道の冬を鉄道で体験したいと考えたからだ。朝小樽のホテルを出て列車に乗る。列車は二両だった。その前日は確か一両だった。前日は余市へ行って来た。

少し前までは特急が走っていた線路だが、本当にひなびていた。駅のほとんどは無人だ。運賃は車内のBOXに入れる。ワンマンバスみたいだな。主人は椅子マニアなので無人駅にイームズの椅子があったとはしゃいでいる。私はひたすら車窓を眺めた。山線というだけあって山の中を進む。雪が吹きすさぶ窓の外を動画に撮ったりしながら、3時間くらい乗っただろうか。なんのハプニングも起こらない、定刻通りの線路の旅だ。主人は退屈だった、もういいといっているけれど、私は次にニセコ辺りに来る時には絶対にこのアプローチだと決めた。この次は小樽で駅弁を買おう。いいなあ。楽しみだ。 ウイスキーはもちろんシングルモルトだ。本場のスコットランドのものはまだ買ったことが無い。買ってもいいと思うのだが薬を飲んでいるから晩酌が出来ないし、すごく美味しかったらどうしようとかそんな悩みを抱えながらひとり北海道旅行の構想を練る。いや、いっそのこと金を貯めてスコットランドへ行ってみるか。竹鶴政孝は船で行った。1ヶ月くらい掛かったんだろうな。船はダメだ。私はすぐ酔ってしまうのだ。車の運転も出来ないしな。やっぱり電車だね、そうだ、電車だね。 あー連ドラ楽しみだなー。