Koop - Come to Me

ライ麦パンを焼いた。水分多めの元種200g、近所のドラッグストアの強力粉150g、細引きのライ麦粉100g、水は220gでこれまた多め。塩は小さじに半分くらいだ。

オートリーズ法という。パンにするライ麦を10時間ほど先に加水させてから捏ねる。そういうこともいつかはしてみたいと思いつつ今回はパス。元種を入れるまでの粉切れまでは箸を使う。

老麺だからね。

とか言ってもう箸を使うのがすっかりわたしの流儀になっている。

ちゃんとまとまる感じになっても結構柔らかい。捏ねられないことはない。100%ライ麦ならば捏ねる必要はないが、今回は5歳も食べられる酸っぱくないライ麦パンを目指すため小麦粉も入っているし、ふんわりもさせたい。元種を中にあんこのように入れて菊練りみたいなことをするとこれがべたつくことべたつくこと。

林弘子の本の一文を思い起こし一旦生地を放置。10分くらいか。そのあいだ片付けをしたり台を綺麗に拭いたり。

さて生地を見るとべたつきが取れてお利口になっている。わーお。不思議。タッパにしまい寝室へ持ち込みそおっと布団を被せる。わたしとパン生地は音楽を聴きながら眠りにつく。猫はトコトコ廊下を走り抜けていく。なんか今夜は忙しいみたい。

koopスウェーデンのポップスバンドだ。「come to me」はボーカルの声が好き。なんとかいう名前の日系女性。余分な抑揚が無い。癖になりそうな滑らかさ。

翌朝、洗濯機が壊れたので主人とふたりコインランドリーへ行く。ぐるぐる回るドラム内を色採りどりの衣類が落下する。わたしの頭の中は取り急ぎ俵型に成形し天板に放置してきたパン生地のことでいっぱいだ。

過発酵にならないか。酵母たちは人生で初めてのライ麦だ。ガッツ出して行ってくれよ。パンの旨味は酵母菌類のタンパク質と発酵で生じる芳香性エタノールのバランスである。

乾燥が終わり車を飛ばして帰宅。生地に変化は無い。焼成前の発酵を35度で60分、オーブンにお願いする。発酵終了そのまま220度で焼く。

15分たった。中を見る。なんかまだ色が薄いな。あと10分。しばらくすると強いライ麦パンの独特の香りが立ち上がる。焼けたかな。出してみる。なんかぺしゃんこになってしまったがいちおう焼きあがり。天板をオーブンから出して室内で熱を飛ばす。ペーパーを敷かなかったから張り付いてしまってパンが取り外せないよ。

洗濯機どうする?外出から戻った長女夫婦と主人はあれこれ討議している。わたしも意見を求められるが特にこれだという名案を出したりは出来ない。もう1度やってみるか。バスタオルを2枚入れてスタートをピッ。動くね、これ、動くね。治ったんじゃない?

わたしはひとりライ麦パンを見つめる。味見したいけれどまだまだ。もう少し落ち着いてからだ。すると洗面所からチェーンソーのような派手な音が聞こえてきた。ダメだ〜。婿は電気屋へ出掛けた。今日洗濯機祭りやってんだよね!長女がはしゃいでいる。

洗濯機祭りとな。唸る。

主人とふたり坦々麺の美味しいラーメン屋へと出かける。主人は麻婆坦々麺と水餃子、わたしは汁なし坦々麺。汁なし坦々麺には2種類あった。シンプルな方を頼んだらこれがフレーバーが山椒オンリーの見事な坦々麺であった。

美味しい?

うん。こういうのが食べたかったからさ。

わたしの鬱症状は少し上向いてきているようだ。

koopはパンドゥセーグルのクープ。

クープまた失敗だったな。

よし、Amazonでクープナイフ買うか。