誓い

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佐野元春'グッドタイムス&バッドタイムス'


裁判?私がそう言うと先生は深々とうなづいた。フクロウはね、昼に狩りをしてはいけないんだ。狩りって、テーブルの上のバームクーヘンを食べただけでしょ?まあそうだね、だからこそその日フクロウが一体どんな動機でバームクーヘンを食べたのか、フクロウとして過失はなかったのかを問われているんだよ。


まず目撃証人が居たんだ、彼女はその日の午前中フクロウが木から木へと低く飛ぶのを見たんだ。彼女はおかしいな、フクロウがこんな時間に?って思ったからよく覚えていたんだ。


誰なの?その証人て。プレーリードッグだよ。年は26歳、いや今月27歳になる。プレーリードッグってそんなに長生きなの?もちろん、百歳のプレーリードッグだっているよ。ちょっと、先生、それホントなの?私はきいきい声になってしまった。


裁判官が証言台に証人を呼んだ。彼女は誓った。神に誓って一切の偽りを心から憎んでいます、と。そのプレーリードッグの名前が少し変わってる名前でね、悲鳴みたいな名前なんだ。悲鳴、悲鳴…どうして?ねえどうしてプレーリードッグの名前は悲鳴みたいなの?


どうしてかね、わからない。きっと彼女の人生が悲鳴の連続だったんだ。彼女は悲鳴を飲み込んでグッと押し殺して生きてきた。それで…フクロウが昼間に飛ぶのを見ちゃった…。先生は深々とうなづいた。