ホームドラマ2

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カロ・ミオ・ベン


骨張った肩をいからせて歩く癖。前歯が一本無い。その隙間に煙草を挟み込んで話す。親1人子1人の生家はスナックでもう何年も帰っていないと笑った。あの頃Kからの電話が狂ったように何日も続いた。


Kとの出会いが思い出せない。Kはホストだったが二十歳の私はホストクラブで遊ぶほどのお金を持つわけはなく、かといって街角で出会うほどKも私も暇ではなく、隙間のないほどのカオスで我々の人生は満ち満ちていた。


私の母の口癖をKはどこかで聞きつけた。お前に一軒店を持たせてやるから。Kは言った。俺たち結婚しよう、俺はホストで儲けるからよ。明日なにをしでかすかもわからないクレイジーなK。ある時Kからの電話中に父が親機で割り込んできた。君と娘との結婚を許すつもりはない。


私なのだ。あの日私は父が通話に乱入するようわざと仕組んだのだ。あの日以来Kは二度と私の前には現れない。自分二十歳っす。K。生きてるかな。