ムラング・イタリエンヌ


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ホン・ジニョン グッバイ





ハイブのオフィシャルに過去バンタンのクッキング動画が上がっていた。美味しそうだし韓国語レッスンにもってこい。バンタンたちのポンコツ具合と出来上がりを食べているアミらしき女性のワクワクが伝わってきてほのぼの。





元気だして、と近所の友人が茹でたてのブロッコリー伊勢うどんをもってきてくれた。伊勢うどんてわたし食べたことない、と言うと友人が実はわたしもや、と笑った。伊勢うどんは想像していたより美味しかった。スーパーで伊勢うどんを見つけては買う。サルサや肉味噌、ルッコラなんかも合う。





友人と洋菓子談義。ビスキュイは焼く前に2度粉糖を降るらしい。この日はもうひとり若い友人もいてあたしシャルロットケーキ食べてみたいなどとはしゃいでいた。友人のシャルロットはチーズのムースと苺のゼリーの2段であった。壁面のビスキュイの組み方の色々。ドーム型のシャルロットなどもあるらしい。







辻調の製菓テキスト(古本)を購入。製菓パーツとしてのイタリアン・メレンゲの立ち位置など、こういうのは好きじゃないけどここんとこずっとメレンゲでアタマがいっぱいになってたから、ここ試験に出るよ的なページ見て次に行ける辻調はやっぱ有り難いな。




夕方孫とキャッチボールで汗をかいた。いい?ボールよく見て、走って取りに行くよ、そんで、投げるために取るんだよ。あたしはやっぱりこれ。ベースボールな。

TPT


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製菓材料店は楽しい。宛もなくシナモンスティックやホールカルダモンを買ったりした。バナナやりんごのマフィンを焼く。これくらいがちょうどいい。身の丈。夕ご飯に豚肉とニラを炒める。生姜を丁寧にみじん切りにした。メレンゲとかメレンゲとか。そういうことを考えながら生姜を刻む。





ファミーユ。久しぶりの友人とZOOMでミーティング。あのさ、子どものころに食べたお菓子って何?友人はサーターアンダギーだと言う。彼女は大阪生まれ大阪育ちたけれど彼女の両親は沖縄からの移民である。






大人になり、あるとき彼女はサーターアンダギーを焼いてみようと思い立ち、実家の母親に電話でレシピをたずねた。彼女はサーターアンダギーを何回も作ったがあるとき油で揚げないサーターアンダギーを作った。オーブンで焼いたという。…そうしたらね、なんかフィナンシェみたいになったんよ。




んー、あのさ、サーターアンダギーって丸いよね。丸くないよ、私んちのサーターアンダギーは四角で薄っぺらくて、こうやって片手で持てるやつだったよ。彼女はまだ1度も沖縄へ行ったことがなく、そういえば彼女は沖縄のものはあまり好きではないんである。





フィナンシェフィナンシェ。マドレーヌは全卵で、フィナンシェは卵白である。フィナンシェにはタン・プル・タンを用意せねばならない。タン・プル・タン。TPT。タン・プル・タン・ブランとタン・プル・タン・ブリュイ。






タン・プル・タンってのはアーモンドと粉糖を合わせたものである。写真は製菓材料店の帰りに食べた汁なし担担麺。

キューバのパン


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ジャクリーヌ・デュプレ
パラディス シシリエンヌ




キューバのパンを焼いた。正式名称はキューバン・スウィート・ブレッドといって佐藤政人という人がまとめた「世界のサンドイッチ図鑑」という楽しい本のp293にレシピがのっていた。サンドイッチの本なのでパン焼きの説明は巻末のふろくだけどなぜだろうキューバのパンは是非とも焼いてみたいと思った。何度も焼いている。






もちろんこの本で主立っているのはサンドイッチの方で、キューバのサンドイッチとして紹介されていたのはパン・コン・ティンバという名前の、まあ見たことも食べたこともないやつだったんだけどこのホロホロとしたゆるいパンはなんだろうとひと目見て思った。






キューバのパンを試作したのは去年の冬だった。小さいオーブンで焼いたので膨らんだ生地が天井に届いて真っ黒に焦げが出来たがそれでも甘くて美味しいので毎日のように捏ねた。何を作るの?キューバのパンだよ。ねえもしかしてキューバのパンを焼くの?そうだよ。






ブリオッシュのブリはフランス語の方言で「砕く」という意味らしい。オッシュは同じく「かき混ぜる」という言葉。ブリオッシュがノルマンディー地方の郷土菓子になっているのはノルマンディーには良さげな牧場があって、特上バターが自慢であるかららしいが、フランスという国はお菓子の国と言っても過言でない。今ではフランス各地の牧場で特上のブリオッシュを焼いている、とある。






私は鉄道が好きでパンデミック前はふらり鉄道旅に何回か行った。それよりも好きなのは鉄道で旅をしている小説やルポを読むことで、お金も掛からない。娘や友人には「読み鉄」と言われたりしているが、こういうのは何ていうのかなあ。





フランス菓子をパティスリーで買って味わうでもなく、かといって道具を揃えて作るということもしない。暇な時間にはひたすらレシピ集やパティシエのエッセイを読む。読みフレンチ。






ところがどっこいである。キューバのパンはフレンチだった。紛う事無きブリオッシュである。早速ブリオッシュを焼いた。この度は焦がしたくはない。発酵中のパン生地をボールに入れ、サランラップをかけ、いそいそ信号を渡る。





「ちょっくら、オーブン借りるよ!」娘の家にのりこんだ。なにを焼くって?キューバのブリオッシュですよ〜

アミューズ・グル


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グッバイ・イエロー・ブリック・ロード
エルトンジョン



エクレアはフランス語ではエクレール。「稲妻」という意味。ホテル技術教育リセの教科書によればエクレールもパータ・シュー。パータ・シューはシュー生地のことで、エクレールとシュークリームというのは原材料は同じなんだけど大福とご飯ほどに立ち位置が異なる。



古本で五百円で買ったリセの教科書は30年前のものだけど煩雑になりがちなフランス菓子の製法を論理的、実用的に体系化してまとめていて、これが非常に読みづらい。読むというよりは一つ一つの菓子の座標を見出す作業。まるで電話帳。



ロビュションのジャマンではアミューズ・グルにパータ・シューが出てくる(ってレシピ本にあります)。アミューズってのはコース料理の一番最初に出てくるものだから、ジャマンでは席につくとこのシューが出てくるんかな。よく読むとこのシューの生地にはすりおろしたグリュエールチーズが入っている。これはしょっぱい。リセの教科書ではアミューズのパータ・シューは一様に茹でて仕上げていた。



塩味のパータ・シュー…。ジャマンのつきだし…。オーブンで焼くやつ…。懸命な捜索が続く。辻調にグージェールというブルゴーニュアミューズ・グルを発見。「チーズ風味の小型シュー」という和名まである。こういうところ。いいぞ、辻調。



しょっぱいシューはイタリア・メディチ家の料理人ポペリーニ(いいな、この名前)がフランスに持ち込んだ。16世紀。それから数百年後、まだ10代のアントナンの製菓の師匠ジャン・アビス。彼こそが味なしのパータ・シューにカスタードクリームを注入した最初のフランス人なんだけど、アントナンはそんななんやかんやを目の当たりにした(……のかもしれない)。

シブースト


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ゼロ・オクロック bts


アントナン・カレームに関する本をネットで注文。その後はなにかお菓子みたいなものを作りたいとファミーユ(家庭菓子)の頁を1ページ目から念入りに読む。卵、砂糖、牛乳、生クリーム、ゼラチン。ヴァニラビーンズ。


今日は友人と友人の行きつけのケーキ屋へ。ショーケースにはモンブランやプリン。あと名前が思い出せないツヤツヤピカピカのケーキやムース。友人はシブーストを買った。私はちょっと考えて何も買わなかった。ケーキを本で見過ぎてるのかな。ラーメン食べられるくらい高いし。


帰宅していそいそシブーストの頁を読んでいる。クレーム・シブストというのはカスタードクリームにイタリアンメレンゲを混ぜたもの。カスタードクリームには卵黄を、イタリアンメレンゲには卵白を。全卵を使い切る点で優秀なクリームなどという解説を読む。


クレーム・シブストを最初に作ったのはオーギュスト・ジュリアン。この人はサントノレとサヴァランを考案した。ふーん。よし、シウマイ食べよっと。

ホソクさん


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アウトロ・エゴ bts

さてシャルロットの製法と形状はアントナン発案時より変遷に継ぐ変遷。現役シャルロットケーキはパティスリー(菓子製造販売店)菓子ではなく、フランス伝統菓子、もしくはビストロデザートのカテゴリーである。


なんやかんや読んでいる。アントナン・カレームがイギリス王ジョージ4世に仕えた際、という記述。アントナンは10歳で捨て子となりパリを放浪するが、イギリス王室に就職していたとは。他の資料ではパリで建築の仕事を習い、それがピエスモンテ(豪華絢爛菓子ビルディング)に繋がったなどとあるが…。


アントナンはいつイギリスへ行ったのかはまだ調べてないけれどそこで英国版シャルロットケーキを知ったアントナン。英国版ではビスキュイではなく薄切りの食パンの壁で、あんこは果物の甘煮だった。


フランス菓子オフィシャルでは現在でもこの英国版シャルロットケーキはシャルロット・ショード(温製シャルロット)としてシャルロット・パリジェンヌのバリエーションのひとつとして登録されている。


シャルロットケーキ発案当時はアパレイユ(中のクリームや果物の甘煮など)で周囲のビスキュイを湿気るがままにしていた。アンズジャムをビスキュイでサンドした縞々の柵のシロップ掛けシャルロットケーキを今でも作る日本人パティシエがいる。


私まだシャルロットケーキ食べたことないんだよねえ。

サーモンポキを作りました。

ホソクさんの歌うエゴの歌。ランニングにピッタリですよ。

鯉(ラ・カルプ)


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すってんすっく 花田ゆういちろう


久々に会う友人(ZOOMだけど)はパンデミック以降洋菓子作りにハマっている。最近はシャルロットケーキなるものをコンプリートしたという。シャルロットケーキ…。んー、ビスキュイってのはビスケット?この本では外注してるね。奇しくもわたくしもフランス菓子事典を今週購入。


ビスキュイ焼くよ。友人は鋭く言い放つ。その夜私は辻調と菓子事典でシャルロットケーキをこつこつリサーチ。いやいやシャルロットケーキは一筋縄でいかない。19世紀のオートキュイジーヌ(豪華料理)の余韻を伝えるピエスモンテ(キラキラ装飾サプライズ菓子タワー)なんである。


ペリーヌのママがパリのシャロンヌにあるギヨ園で病死したのは1878年の春。ママは敷地内に住む鯉おじ、と呼ばれていた一人暮らしの古くつ解体業兼スープの達人から一皿のスープを貰うが、それをひとくち飲むやいなや激しく嘔吐。その日のうち、この貧民窟の面々に見守られママは死んだ。


鯉おじは貧民窟の大料理人であった。オート・キュイジーヌに革命を興したアントナン・カレームは捨て子。アントナンもまた奇跡の味覚能力で大料理人へと登り詰めた。ペリーヌのパパとママが死ぬちょっと前のことだ。アントナンはシャルロットケーキを考案したのだ。



ペリーヌ、パパ、ママ、それから鯉おじとアントナン。みんなでテーブルを囲んでシャルロットケーキを食べよ。うん、それがいい。