2014-01-01から1年間の記事一覧

Nat King Cole

「モナリザ」を聴いている。 堤真一が観たくて「クライマーズハイ」を観た。「モナリザ」が劇中流れていた。NHKの朝の連ドラはやっぱりもうなんとなくみられない感じになった。なんでみられないのかはわからない。連日みそびれる。そもそもテレビを観る習慣…

小説 丘の上から ①秋の章 11

マリの店の北の林を抜けたところにローザの家は建っている。ローザは兎ではなく女の子だった。そしてケージではなくちゃんとした家に住んでいる。しかしよく見るとドアは外側から南京錠が掛けられている。フライデーは手に余るほどの大きな鍵をジャケットの…

北京面食

マイケルポーラン「COOKED」を読み始めた。なかなか面白いことが書いてある。人は誰かが料理をしている光景を見ることで大切な何かを埋め合わせるという。そういえば私の脳内の面々も皆一様に台所好きである。作る見る食べる。である。 肝臓癌で亡くなった知…

when Rabbit Howls 兎がわめくとき

「When Rabbit Howls」は1987年にアメリカで出版されたDIDのライフストーリーだ。著者のトラデイチェイスは2010年に亡くなった。 私がこの本の存在を知ったのは2000年。買った記憶のない私物を部屋に発見したり、娘の高校の入学式で失神して運ばれたりした。…

ウイーン、わが夢の街

変なものを見た。 背広姿のサラリーマンが市役所脇の歩道をベッドのマットレスを肩から提げて歩いていた。マットレスは青い布で覆われており、男性は颯爽としている。一体どのビルへと向かっているのか。あの大きなマットレスはビルのドアを通るのか。果たし…

ウフ・ア・ラ・コック

誠文堂新光社「サンドイッチの発想と組み立て」という本を見ています。 面白いですね。 世界7カ国、25の定番サンドイッチのレシピが分析されています。それぞれのサンドイッチはひとつひとつその断面を撮影され、味の決めてはこうである、パンと具の配分はこ…

小説 丘の上から ①秋の章 10

「兎たちをケージから出す」うさおは言った。 誰も何も言わなかった。ただチェロだけが演奏を続けている。くねくねと曲がった、急な山岳の岩場を、強健な馬に乗って駆け下りるような演奏だった。 演奏が終わるタイミングでエルはステレオのスイッチを切った…

流星ビバップ

流星ビバップは小沢健二の曲だ。 usaoはサンドイッチの専門書を調べ始めた。定番のサンドイッチレシピを次から次へとリストアップしてモレスキンに書き詰めていく。 elleはカトマンズのリサーチで忙しい。彼女には珍しく地道にシュミレーション。どうやらわ…

ライク・ア・ローリングストーン

夕焼け空を見ています。 若い時代、まだ20代かそれくらいのころ、夕方ごろになると無性に何処かへ行きたくなる、それもひとりで、そんな感情を抱えていました。 遁走というやつです。 DIDの症状に解離性遁走とあるのを読んだ時ドキドキしました。ああ、あれ…

小説 丘の上から ①秋の章 9

丘の上のマリの店に着いた時にはもう日が暮れかかっていた。 マリの店というのはカフェか何かのようで、中には2人の客がいた。 パトリックジェーン。彼は向かって左側の奥のコーナーのボックス席の壁側に座り、うさおを見て陽気に手を振った。彼は中国のなん…

遠吠えシャッフル

はじめてバイクに乗った時、私はたぶん5歳か6歳だ。父の運転するHondaスーパーカブの後部座席だった。冬だった。鳴りやまぬ耳元の轟音。ガタガタ道。転落してもおかしくない程の、全行程ホッピング状態。鉄工所を営んでいた父の背中からは鉄の匂いがした。…

沖縄旅行③沖縄未満であるということ

沖縄から帰り荷物を整理しています。今回で3度目の沖縄でした。 まだまだです。 足りない。 前回、前々回に比べて海は1番青かったです。友人は夏おいでよ、夏の海見なきゃ、って言うんだけど、なんでなのかな〜。そもそも水が、と言うか、白状してしまうと自…

沖縄旅行② 古民家にこもって沖縄フードを食べ尽くす

おはようございます。台風19号を迎え撃つかたちで沖縄入りしました。どうやら台風はこの沖縄中部地方を直撃する感じです。 ゆうべは早々と停電しました。回復したと思ったらまた消える。闇に目が慣れた頃にまた点く。この繰り返しが結構ダメージで、結局電気…

沖縄旅行 ①沖縄ではツナのことをトゥーナと言う。

昨日から沖縄に来ています。今回はうるま市の海中道路の先にある平安座島の古民家コンドミニアムに3泊4日滞在しているのですが、台風19号でどうやら予定通り本州に戻るのがむつかしくなりそうです。 今回楽しみにしていた人生初のサーフィン体験。いくらなん…

小説 丘の上から ①秋の章 8

「美和はひとりぼっちだったんだ。産まれた場所も、誕生日もわからない。施設で育ったんだ。施設ってわかる?……騒がしい子どもの声。消毒の匂い、きゅっきゅって鳴るリノリウムの白い床。‥‥誰のものでもない汚れた熊や兎のぬいぐるみたち。壊れたままのブリ…

小説 丘の上から ①秋の章 7

轟々と何かが音をたてている。それは2CVのエンジン音ではなく風の音だった。息を吸い込むとひんやり冷たかった。丸められ、地面に置かれたジャンパーのポケットからごそごそと外へ出た僕は身ぶるいした。僕はしばらく茫然と立ち尽くした。そこは広々とした…

小説 丘の上から ①秋の章 6

僕はフライデーが美味しそうにサンドイッチを食べているのを見たことがある。 フライデーはキュウリのサンドイッチが好きだと言っていた。少しのバターとキュウリ以外は何も入れない、これが美味しいのさ、サンドイッチを食べながらそんな話をよくしたものだ…

小説 丘の上から ①秋の章 5

ステファン・グラッペリだよ。 うさおが言った。 うさおはジョージのハウスのキッチンでチーズソースのパスタを作っている。ジョージはデスクで書類に向かっていた。 ジョージのキッチンにはアウトドア用の鍋しかないのだと、うさおは笑いながら言った。うさ…

小説 丘の上から ①秋の章 4

それから数日後事件が起きた。 いつもように僕を訪ねて森へやってきたフライデーが、僕の居ないことに気づき、あちこち探し回り、スズカケの木の根元で気を失って倒れている僕を見つけた。フライデーはぐったりしている僕を大慌てでジョージのところに運んだ…

小説 丘の上から ①秋の章 3

眠れない夜の暗闇が視界を歪めていく。うつらうつら浅い眠りで見る不可思議な夢に動揺して、僕は激しい動悸とともに目覚めた。なにかに誘われるように木のウロを飛び出し、夜の森を駆け抜けた。口笛のような奇妙な音。風が吹いていた。木々は落葉をはじめて…

小説 丘の上から ①秋の章 2

縄張りとかテリトリーとか、ペットショップで生まれた僕にはピンとこない。 ジョージ・ピーターズは博学でリスについてはリスである僕自身よりも詳しかった。彼は極力むつかしい専門用語を避けてはいたけれど、話のほとんどは理解が出来なかった。僕はリスが…

小説 丘の上から ①秋の章

リスも夢を見る。 そこは広々としたところだった。あたり一面まぶしい光が満ちていた。耐えきれずに目を閉じた。怖々目を開けてよく見ると、白い光の中、少し離れた場所にフライデーがいた。言葉を話すことが出来ないはずのフライデーがこちらを向いて何か言…

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ

おはようございます。日に日に朝が冷え込みます。冬って何を着て走ればいいのかな。冬、ジョギングで検索すればいいのかな。 今日はちょっと暗い感じです。僕はもともとエンリオ・モリコーネがとっても好きなんですが、一番好きなのは「ワンス・アポン・ア・…

ルージュの伝言

角川書店編「季寄せ」は良い本だ。短歌よりも俳句、俳句より自由律俳句。渥美清は山頭火のドラマのオファーを受けていたそうである。もろもろの事情で実現しなかったそうだが観てみたかったと思う。 「季寄せ」はいろいろ出ているが角川のこれが良いと思う。…

ドアをノックするのは誰だ

おはようございます。最近取水型の水素水整水器を取り付けました。水素水が出ていますよの合図に電子音でアンパンマンのメロディが流れます。 朝晩は気温がぐっと下がりました。ちょっとひんやりしたけれどやっぱり半袖で走りました。約2キロを走って長女の…

見上げてごらん夜の星を

洗濯終了、片付け終了。本当はハーブティーを飲みたいんだけどコーヒー飲んでます。ロヒプノールはワンシートしか貰わなかったんですが、夕べも結局のんで眠りました。ジョギング効かないなあ。くすり無くなったらどうしようかな。どうしてもっと貰わなかっ…

デキシーズミッドナイトランナーズ

おはようございます。今日も走りました。空気がひんやりです。無料で聴ける音楽アプリでライブを聴きながら走りました。 今日からオートミールを食べています。どんぶりに大さじ3のロールドオ―ツをはらはら。ひたひたの水をかけてレンジで1分。メープルをか…

夢の人

どうやら私の脳内のジュークボックスは飽和状態で新曲が入る余地がないみたいだ。「夢の人」はビートルズの曲。歌は知らない。栗コーダーがカバーしたやつしか聴いたことがない。 悲しみや苦しみ、失意や落胆。マイナスの感情の到来には手も足も出ない。ほど…

聞かせてよ

約一ヶ月ぶりにジョギングを再開した。たった一ヶ月休んだだけなのに今日で3日走って筋肉痛がMAXだ。 人間の腰は椅子の様な構造をしているらしい。腰に負荷となるのは実は座った姿勢で、歩いたり走ったりしている間の負荷はそれほどでもない。ただしこういう…

you can't hurry love

大泉洋が観たくて「探偵はBARにいる」を観た。大泉洋はいいな。柴田恭兵にも松田優作にも無い何かを持っている。 「探偵は」自体はイマイチだった。特に暴力シーンの生々しさに閉口した。生まれてこのかたそういう映画が苦手である。殴り合うとか誰かが死ぬ…